インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリットを紹介

近年、SNSや動画配信サービスの普及から、インターネットによる宣伝に力を入れる企業が増えています。そして、ネット広告の手法として代表的なものの一つに、インフルエンサーマーケティングがあります。本記事では、インフルエンサーマーケティングのメリットとデメリットを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

インフルエンサーマーケティングのメリット

インフルエンサーマーケティングは、大手企業から中小企業まで幅広く活用されるマーケティング手法です。インフルエンサーマーケティングのメリットを、順番に見ていきましょう。

広告色が薄れてユーザーの関心を惹きやすい

まず第一に挙げられるメリットは、インフルエンサーが自身の好意的な視点で商品やサービスを紹介することです。

これにより広告色が薄れ、ユーザーが自然と関心を持ちやすくなります。ユーザーは「好きなインフルエンサーの情報だから見てみたい」と感じやすく、プロモーション動画や記事を最後まで視聴・閲覧する可能性が高まります。

SNSでの拡散が期待できる

さらに、SNS上で拡散が期待できることもメリットです。フォロワーが共感し「いいね」や「リポスト（リツイート）」といったアクションを取ることで、インフルエンサーのファン以外にも情報が伝わりやすくなり「注目されているコンテンツ」として広範囲に影響を及ぼします。

ユーザー行動のデータ分析がしやすい

また、インフルエンサーマーケティングはオンラインで実施されることが多く、ユーザー行動のデータ分析がしやすいのも利点です。例えば、どの段階で購入や会員登録といったコンバージョンに至ったか、または離脱したかを調査することでサイトの改善に役立てることができます。

特定のターゲット層へ効率的にアピールできる

さらに、商品・サービスのジャンルに適したインフルエンサーを選ぶことで、特定のターゲット層へ効率的にアプローチすることができます。

例えば、キャンプ用品を売りたい場合、普段からキャンプ情報を発信するインフルエンサーを起用すれば、キャンプに興味のあるフォロワーに自然とリーチできます。適切なインフルエンサーを選ぶだけで、ターゲティング作業の手間も省けるため効果的です。

SEO効果が得られる

最後にインフルエンサーマーケティングに成功すると、ランディングページや自社ECサイトへのアクセスが増加し、SEO効果も得られます。これにより、検索エンジンでのサイト表示順位が向上し、長期的なアクセス数の増加にもつながるのです。

インフルエンサーマーケティングのデメリット

インフルエンサーマーケティングには、効果的な側面が多い一方で、いくつかのデメリットも存在します。

ステルスマーケティングと誤解されやすい

まず、ステルスマーケティングと誤解されるリスクが挙げられます。消費者庁は2023年3月に、景品表示法に基づき、広告と明示しないプロモーションは違法行為であると発表しました。

インフルエンサーが普段から口コミ風の投稿をしている場合、案件であっても広告だと気づかれず、ステマと誤解されやすくなるため「広告」や「PR」表示が求められます。しかし、広告だと明記しても消費者から不信感を抱かれる場合があり、慎重な対応が必要です。

円状のリスクがある

次に、炎上リスクが挙げられます。事前にチェックした内容であっても、インフルエンサーの発言が特定のユーザー層に配慮を欠いたり不適切な表現を含んでいたりすると、ユーザーの反感を招き炎上に発展する可能性があります。

特にインフルエンサーのイメージが自社に影響を与えるため、ブランドに適したインフルエンサーを選ぶことが重要です。また、関係のない投稿が炎上してもブランドイメージに悪影響が出ることから、慎重なキャスティングが求められます。

キャスティングの手間・時間がかかる

さらに、キャスティングの手間と時間もデメリットです。インフルエンサーの数は多いものの、自社に適したインフルエンサーを見つけるには、多くのリサーチや交渉が必要です。通常、1人を確保するために10〜20人ほどにオファーを出す必要があり、十分な時間を確保しておかないとスケジュールに遅れが生じるリスクもあります。

費用対効果が見合わない場合がある

また、費用対効果が見合わない可能性もあります。インフルエンサーのキャスティングにかかるコストは高く、商品の良さが十分に伝わらなかったり、広告色が出ないよう配慮した結果、逆にデメリットばかりが目立つといったケースも考えられます。こうした場合、コストに見合う効果が得られないことも少なくありません。

投稿内容を細かく指定できない

最後に、投稿内容を細かく指定できないという制約もあります。インフルエンサーマーケティングでは、投稿の文面や編集スタイルをインフルエンサーに任せるのが基本です。

自社で作成したコンテンツをそのまま投稿することはできず、あくまで「その人らしさ」を尊重することが大切です。インフルエンサーの個性やスタイルが失われるとファンからの信頼も下がる可能性があるため、打ち合わせで要望を伝えつつ、ある程度の裁量を与えることが求められます。

まとめ

インフルエンサーマーケティングは、自然な形でユーザーの関心を引き、SNSでの拡散やターゲティング、データ分析、SEO効果といった多くのメリットがあるため、幅広い企業に活用されています。しかし一方で、ステルスマーケティングと誤解されやすいリスクや炎上リスク、キャスティングの手間や費用対効果の不透明さなどのデメリットも無視できません。また、投稿内容を細かく指定できないため、インフルエンサーの個性を生かしつつも、自社のブランドイメージを守る工夫が求められます。メリットとデメリットを理解し、効果的に活用することが成功のカギです。