インフルエンサーマーケティングでよくある失敗事例とは？

インフルエンサーマーケティングは、商品の認知拡大や売上向上に大きな効果が期待できる手法として多くの企業が取り入れています。一方で、炎上や不適切な投稿、イメージと合わない起用など、思わぬ失敗に繋がるケースも少なくありません。そこで本記事では、よくあるインフルエンサーマーケティングの失敗事例を紹介し、なぜ失敗するのか、失敗するとどのようなリスクがあるのかを解説していきます。

インフルエンサーマーケティングで陥りやすい失敗例

多くの企業が導入するインフルエンサーマーケティングですが、必ずしもすべてが成功するわけではありません。ここでは、実際によく見られるインフルエンサーマーケティングの失敗事例についてご紹介します。

ターゲットのミスマッチ

自社の商品やサービスのターゲット層と、インフルエンサーのフォロワー層が一致していないと、マーケティング効果が期待通りに得られません。

たとえば、若年層向けのコスメをPRするのに、フォロワーの大半が中高年だったというケースなどです。フォロワーの属性がずれていると、発信しても購買行動に繋がりにくくなってしまいます。

ステルスマーケティングによる反感

広告とわからない形で商品を紹介するステルスマーケティングは、消費者の信頼を損ねる原因になります。インフルエンサー投稿に広告表記がないと「騙された」と感じる人も少なくありません。

また、災害直後など不適切なタイミングでの投稿も炎上リスクを高めます。SNSは情報が瞬時に拡散するため、慎重な対応が必要です。

進行管理の遅れ

インフルエンサーとの連絡がスムーズに進まず、投稿が予定より大幅に遅れてしまうケースもあります。

商品が届かない、投稿予定日を過ぎても投稿が上がらないなど、期日が決まっているプロモーションでは致命的な問題になることもあるでしょう。スケジュール管理の不備は、全体の施策に大きく影響します。

投稿の品質が低い

依頼後に上がってきた投稿が雑だったり、宣伝色が強すぎてインフルエンサーらしさが感じられない内容になるケースもあります。

通常の投稿と違和感のあるPRは、フォロワーの共感を得られにくく、エンゲージメントも低下します。投稿の品質が低いと、期待した効果が得られない原因となるのです。

連絡不能・アカウント消失

商品提供後にインフルエンサーと連絡が取れなくなったり、突然アカウントが削除されるといったトラブルも発生します。

契約上の取り決めが曖昧だったり、アカウント管理がずさんな相手を選ぶと、こうしたリスクが高まります。想定外の事態が起きることも考慮が必要です。

炎上リスクの高まり

SNSでのPRは、インフルエンサーのちょっとした発言や行動がきっかけで炎上に発展することもあります。

影響力の大きなインフルエンサーほど、そのリスクも比例して高くなります。企業の意図とは関係のない部分で炎上が起こる可能性もあり、常に注意が必要です。

インフルエンサーマーケティングの失敗が招く深刻なリスク

インフルエンサーマーケティングは成功すれば大きな効果を発揮しますが、一方で失敗した際の影響も大きいのが特徴です。

以下では、インフルエンサーマーケティングに失敗した場合に起こりうるリスクについてご紹介します。

インフルエンサーの不祥事が企業イメージに直結

インフルエンサーが炎上や不祥事を起こした場合、そのイメージは起用した企業にも波及します。

たとえば、起用直後にインフルエンサーの過去の発言が問題視されたり、プライベートのスキャンダルが報道された場合、企業のブランドイメージにも悪影響を及ぼすのです。消費者は「この企業はこういう人を起用したのか」とネガティブに受け取ることもあり、信頼の失墜に繋がる恐れがあります。

そのため、インフルエンサー個人の問題が、企業全体の信用問題へと発展してしまうリスクは常に存在しています。

信頼失墜によるブランド価値の低下

PRのやり方が不適切だと、消費者からの信頼を大きく損なう可能性があります。

たとえば、広告であることを隠したステルスマーケティングだと認識される、紹介内容と実際の商品品質が伴っていないといった場合です。一度疑念を抱いた消費者は、そのブランド自体を敬遠するようになることもあります。

ブランドの信用を失うと、次のマーケティング施策も効果が出にくくなり、長期的なブランド価値の毀損に繋がりかねません。

業績への影響も広がる可能性

インフルエンサーマーケティングの失敗は、単に評判の低下に留まらず、売上や業績の悪化を招くこともあります。せっかく認知拡大や売上増加を狙って行った施策が、逆に消費者離れを引き起こす原因になってしまうのです。

悪いイメージが定着してしまうと、顧客獲得コストの上昇や取引先からの評価低下など、経営面にも波及する恐れがあります。特にブランドイメージを重視する業界では深刻な問題となることがあります。

インフルエンサーマーケティングで失敗を防ぐためのポイント

インフルエンサーマーケティングは、せっかく費用と時間をかけても、期待した成果が出なければ大きな損失となりかねません。

ここでは、インフルエンサーマーケティングを成功に導くために、事前に意識しておきたいポイントを紹介します。

事前リサーチを徹底する

インフルエンサーマーケティングを行う際は、十分なリサーチが欠かせません。競合他社がどのような施策を実施しているのか、成功事例や失敗事例を参考にしながら、自社にとって適切な方法を検討しましょう。

また、起用を検討しているインフルエンサーの過去の投稿内容やフォロワーの属性、普段の活動スタイルなども細かく調査することが重要です。

ターゲットを明確にする

自社に合ったインフルエンサー選びは、マーケティングの成果に直結します。まずは、誰に何を届けたいのかという目的を明確にし、ターゲット像をはっきりさせることが重要です。

目的が曖昧なままインフルエンサーを選ぶと、フォロワー層とのミスマッチが生じ、効果が得られにくくなります。

インフルエンサーとの事前の意思疎通が重要

販促色が強すぎる投稿や、広告とわかりにくい投稿は、ユーザーに悪い印象を与えてしまうこともあります。自然で信頼感のある投稿にするためには、インフルエンサーに商品の魅力や企業の想いをしっかり理解してもらうことが大切です。

起用の理由や期待する役割を事前に共有し、投稿内容についても細かく確認し合うことで、より自然で共感を得やすいコンテンツに仕上げることができます。

代理店の活用も検討する

自社内での対応が難しい場合は、専門のインフルエンサー代理店を利用するのも有効です。代理店であれば、リサーチや選定、投稿内容の確認、進行管理まで一括で任せることができます。

もちろん費用はかかりますが、自社で全てを行うコストやリスクを考えれば、十分に検討する価値があります。外部リソースを活用することで、施策の質や安定感も高まります。

まとめ

インフルエンサーマーケティングは、正しく活用すれば大きな効果をもたらす一方で、失敗すれば深刻なリスクを招く可能性があります。ターゲットのミスマッチや不祥事、信頼の失墜といった失敗例を踏まえ、事前のリサーチやインフルエンサー選び、意思疎通をしっかり行うことが重要です。必要に応じて代理店のサポートも検討しながら、慎重に進めることで、インフルエンサーマーケティングの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。