インフルエンサーマーケティングにかかる費用の内訳とは

インフルエンサーマーケティングは、SNS全盛の現代において注目が集まっているマーケティング手法です。しかし、費用相場やその内訳がわからないと活用をためらってしまうことでしょう。そこで本記事では、インフルエンサーマーケティングにかかる費用や、そのメリット・デメリットを詳しく解説します。

インフルエンサーマーケティングで発生する費用

インフルエンサーマーケティングの費用相場は、1回の施策あたり約70〜100万円が一般的です。インフルエンサーへの報酬は「フォロワー数×フォロワー単価」で算出され、SNSの種類によって単価は異なります。

たとえば、Instagramではフォロワー単価が約3円とされており、20万人のフォロワーを持つインフルエンサーに依頼する場合、報酬は約60万円になります。

インフルエンサーマーケティング費用の内訳

マーケティングにかかる費用の主な内訳には、まずインフルエンサーへの報酬があり、これが全体の費用の中で最も大きな割合を占めます。これは、フォロワー数が多いほど報酬額も高額になりやすいです。

また、代理店を通じてインフルエンサーをキャスティングする場合、報酬の10〜30％程度を代理店に支払う必要があります。さらに、マッチングプラットフォームを利用する場合、その使用料も発生します。プラットフォームによって料金体系が異なるため、比較検討が重要です。

加えて、インフルエンサーに実際に商品を使ってもらうための商品代や配送料も依頼主側の負担になります。また、インフルエンサーが投稿したコンテンツを企業の広告やPRなどで再利用する際には、あらかじめ「二次利用費」を支払う必要があります。

無断で投稿内容を使用すると、肖像権や著作権の侵害に該当する恐れがあるため、必ずインフルエンサーの許可を得た上で適正な契約を結びましょう。

インフルエンサーマーケティングを活用するメリット

インフルエンサーマーケティングには、他の広告手法とは異なる3つの大きなメリットがあります。これらを正しく理解し活用することで、効果的なプロモーションが可能になります。

さまざまなマーケティング施策から選択できる

インフルエンサーマーケティングは、その実施方法が多様で、目的に応じた柔軟なアプローチが可能です。例えば、現地訪問ではインフルエンサーを店舗やイベントに招き、リアルなレポートを投稿してもらうことで集客効果を期待できます。

また、ギフティングでは商品を自宅に送付し、実際の使用感をSNSで発信してもらうことで、自然な形で商品の魅力を伝えることができます。

さらに、ライブ配信を活用したライブコマースでは、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら商品を紹介することで、即時の購買促進が可能です。

アンバサダーとして長期的なパートナーシップを結ぶ手法や、商品開発にインフルエンサーを参加させるコラボ・監修型の施策もあり、より深いブランド理解と共感を得られます。

ターゲティングがしやすい

インフルエンサーにはそれぞれ得意とするジャンルやフォロワー層があり、例えばコスメ、旅行、グルメなどに特化しているケースが多くあります。これにより、企業は自社のターゲット層と一致するインフルエンサーを選定することで、より効率的かつ効果的に情報を届けることができます。

たとえば、工務店がプロモーションを行う場合は、インテリアやリフォームに詳しいインフルエンサーを起用することで、ターゲットに響く訴求が可能になります。

情報の信頼性が高い

インフルエンサーは一人の消費者として、自身の体験や感想をフォロワーに向けて発信するため、企業からの一方的な広告よりも自然で説得力のある情報提供ができます。

信頼関係のあるフォロワーに向けて情報が伝わるため、購買意欲の喚起にもつながりやすく、さらに得られたフィードバックを製品の改善や新商品開発に活かすことも可能です。

インフルエンサーマーケティングを活用するデメリット

インフルエンサーマーケティングには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。その代表的なものが「インフルエンサーの選定が難しいこと」と「ステマによる炎上リスク」です。

インフルエンサーの選定が難しい

まず、インフルエンサーの選定についてですが、このマーケティング手法の成功は誰を起用するかに大きく左右されます。ただフォロワー数が多いという理由だけで選ぶと、ブランドとの親和性が低かったりフォロワーの属性が自社ターゲットとずれていたりして、期待する効果が得られないことがあります。

そのため、インフルエンサーを選ぶ際には、自社ブランドとの相性、フォロワーの年齢や性別などの属性、過去の投稿内容、そしてフォロワーとのコミュニケーションの質など複数の要素を総合的に判断する必要があるのです。

さらに、一部にはフォロワーを購入して水増ししている偽アカウントも存在するため、見極めには慎重さが求められます。

ステルスマーケティングのリスク

次に、ステルスマーケティング、いわゆる「ステマ」のリスクがあります。これは、企業から報酬を受け取っているにもかかわらずその事実を明かさずに、あたかも自分の意思で商品を紹介しているように見せる手法で、倫理的な問題をはらんでいます。

もしステマが発覚すると、企業やブランドの信頼性が大きく損なわれる恐れがあり、SNS上での炎上につながる可能性も高まります。そうした事態を避けるためには、企業側も高い情報リテラシーを持ち、適切な契約やガイドラインのもとでマーケティングを実施することが重要です。

まとめ

インフルエンサーマーケティングは、費用の内訳を正しく理解し、戦略的に活用することで高い効果を発揮するマーケティング手法です。フォロワー単価による報酬設定や代理店・プラットフォームの手数料、商品代や二次利用費など、複数のコスト要素があるため、事前の見積もりが重要です。さらに、施策の柔軟性や高いターゲティング精度、消費者目線の信頼性といった強みを活かせば、認知拡大から購買促進まで幅広く対応できます。一方で、インフルエンサー選びやステマのリスクなど注意点もあるため、慎重な運用が成功のカギを握ります。